駅やバスに広告を出している医院の院長や事務長に向けて、眼科クリニック(東京・複数院) の予約画面で行った実装の記録をもとにご説明します。広告を見た方がウェブで予約を終えたかどうかを、患者さんの情報を外に出さずに計測へつなぐための考え方です。
広告を出しても予約につながったかが見えない悩み
地域の広告は、見た方がその場で電話をかけるとは限りません。後から院名で検索し、ウェブの予約画面から申し込む方も多くいらっしゃいます。ところが予約画面と広告の計測がつながっていないと、どの広告のあとに予約が増えたのかを確かめられません。
眼科クリニック(東京・複数院) では、予約の受付を Odoo という業務システムの予約機能で行っています。複数の院があり、院ごとに予約メニューが分かれています。そこで、予約が完了した画面を開いた時点で、どの院のどのメニューが予約されたかを計測の仕組みへ伝えるようにしました。
予約画面を開いただけの方と、最後まで申し込みを終えた方は、広告の成果としては意味が大きく違います。途中で閉じた方まで数えてしまうと、広告の良しあしを判断する材料になりません。そのため、数える場面を「予約が完了した直後」の一か所に決め、そこだけで情報を渡す形にしています。
予約完了の瞬間に、院名とメニュー名だけを渡します
計測の仕組みへ渡す情報は、院名と予約メニュー名の2つだけに絞りました。お名前、メールアドレス、電話番号、予約の番号などは、取得も送信もしていません。広告の効果を見るには「どの院で、どのメニューが予約されたか」が分かれば足りるためです。
- 渡すのは予約が完了した直後の画面を開いたときだけです。
- 予約確認のメールから同じ画面を開いた場合や、取り消した予約の画面では渡しません。
- 院名やメニュー名に記号が含まれていても画面の動きを壊さないよう、渡す前に文字を安全な形に整えています。
また、病名や手術の内容などの診療情報は Odoo には入れていません。予約システムに残るのは受付に必要な範囲の情報だけで、計測へ渡す情報はさらにその一部に限っています。
本番の前に、確認用の環境で動くことを確かめます
計測の設定は、失敗しても画面にエラーが出ません。何も送られていないだけなので、気付かないまま広告を回し続けてしまうおそれがあります。
そこで、計測を動かしてよい画面の住所を、システムの設定値で切り替えられるようにしました。普段は本番の予約画面だけで計測が動き、確認用の環境では動きません。確認するときだけ確認用の環境を一時的に対象へ加え、実際に院名とメニュー名が届くことを見てから元に戻します。本番で初めて試すのではなく、事前に「送られること」まで確かめられる形にしています。確認が済んだあとに設定を戻し忘れないよう、手順書にも戻す作業を明記しました。医院側にとっては、広告を出し始めてから「実は数えられていなかった」と分かる事態を避けられる点が大きな違いになります。
導入前に決めておきたいこと
この仕組みは計測の入り口を整えるもので、広告の配信設定そのものは広告を運用する側で行います。導入の前に、次の点を院と広告の担当者で決めておくことをおすすめします。
- 予約完了の画面を再読み込みすると、同じ予約がもう一度数えられることがあります。二重の計上をどこまで許すかを決めておきます。
- 予約画面の住所だけを条件に広告の成果を数えると、取り消した予約が混ざる場合があります。院名とメニュー名が届いたときだけ数えるなど、広告側の条件を合わせて調整します。
- 広告の仕組みが独自に集める情報は、今回の実装では制御していません。患者さんの情報を集めない設定になっているか、公開前に広告の担当者と確認します。
- 閲覧者の同意の取り方と、計測が動く条件が食い違っていないかも確認します。
広告を増やす前に、予約の完了を正しく数えられる状態を用意しておくと、どの駅やどの路線の広告が予約につながっているかを落ち着いて比べられるようになります。院ごとにメニューや受付の流れが違う場合でも、渡す項目を院名とメニュー名に絞っておけば、院が増えても同じ考え方で広げていけます。
